プロ野球界で一芸に秀でた選手になるには?

プロ野球で一芸に秀でた選手の代表といえば、2016年まで読売ジャイアンツに所属していた鈴木尚広ではないでしょうか。
鈴木選手の出場機会は、主に試合終盤での代走です。代走という役割は高い割合で盗塁を試みます。そこでは、あくまでも10割の成功率が求められるのです。失敗が許されない状況というのは、どうしても大きなプレッシャーが伴います。そんな専門性の高い代走に対して、相手チームは「走ってくるだろう」と警戒します。決して簡単なことではありませんが、鈴木選手は難しい状況でも盗塁を成功させなければならない立場であることを自覚し、逃げることをしませんでした。そして遂に当時の原監督に「尚広が『いる』と『いない』では、チームが大きく変わる。チームを作る上で重要な存在だ」と言わせ、オールスターゲームに出場できるほどの重宝される選手になったのです。
そんな鈴木選手も若い頃は、原監督に怒られてばかりでした。それでも「叱られる」ということは「期待の表れ」だと捉え、監督の期待に何とか応えたい想いで努力を積み重ねました。若い頃にたくさん叱られた経験があったからこそいろんなことを勉強し、多くのことを吸収できたと本人は語っています。
置かれた立場や環境としっかり向き合い、一芸というものをはっきり見つけることができたからこそプロ野球界での立ち位置を確立することができたのです。走ることに対する準備を怠らず自分の軸を確立したことで、誰にも真似できない代走という専門職を手にすることができたのだといえます。